【日本病院薬剤師会関東ブロック第38回学術大会 発表】

              癌化学療法への取り組み

()山梨厚生会 山梨厚生病院 薬局

   窪田隆二 中込尉哲 塩沢輝幸 雨宮美智子

 

【概要】医師からの依頼を受け、当院で薬剤師による化学療法剤の混合調製を始めてから10年となる。開始当初は一部診療科と複雑な調製が必要なプロトコールに絞っての調製だったため件数も少なかった。

外来化学療法は長らく外来処置室の専用スペースで行われてきたが、化学療法を必要とする患者数の増加に対応するため、2006年外来化学療法室を新設し現在に至っている。

外来化学療法室には、リクライニングソファーが10床と液晶テレビが各1台設置され、リラックスした空間で治療を受けられるよう配慮されている。

月〜土曜日の午前中のみ稼動し、対象は乳癌、消化器癌、肺癌、泌尿器癌で、件数は月平均40件という利用状況で、20085月現在で、述べ2063件の治療を行っている。薬剤の混合調製は、外来化学療法室に隣接するミキシングルームにて薬剤師2名によるダブルチェック下で行っている。
入院中の化学療法に対しても同室にて調製を行っている。入院化学療法の件数は月平均40件である。入院で治療を開始し、外来化学療法へ移行していく例も少なくない。

【課題】今後外来化学療法を行う患者数の増加が予想される中、スタッフの確保及び待ち時間短縮の他、新人薬剤師の教育並びに、最新の知識の習得をどのように行っていくかが課題の一つである。


【日本病院薬剤師会関東ブロック第38回学術大会 発表】

 

TUR−bt(経尿道的膀胱腫瘍切除術)のパスの検討

()山梨厚生会 山梨厚生病院 薬局
○秋山真二 天野美香 富永有希 雨宮美智子



【目的】当院ではEBMに基づく医療内容の標準化と質の向上などを目的にクリニカルパスが導入されている。またパス委員会において、薬剤師を含めた各部署の代表によりその内容は定期的に見直され、パス大会も活発に行われている。その中で特に泌尿器科のパスにおいて薬剤管理指導に関わってきた。今回パスの見直しにともない、今までのパスの内容を薬学的観点から検討し有効的に活用できる様に統計をとったのでその結果を報告する。

【方法】2007年3月〜2008年2月までの1年間のTUR-bt68症例についてパス表の看護記録やオペ記録などのカルテ内容を見ながら入院期間中の病態の経過を調査した。

【結果】TUR-btの男女比は男性65%女性35%であった。テネスムス症状(しぶり腹)の発生率は54%であった。テネスムス症状に対する坐薬(ボルタレンサポ)の使用頻度は68%であった。また手術後の濃い血尿の頻度は13%であり。血尿に伴う止血薬(アドナ錠)の処方は18%であった。バリアンス頻度は14%という結果を得た。

【考察】今回の調査より現在のパスが適切である点と、パスの改正にあたっての参考材料となる結果が得られた。著しい医療の変化に応じパスの評価・見直しに薬剤師が関与しより質の高いパスになるように努めていきたい。

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日本病院薬剤師会関東ブロック第
38回学術大会にて



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