【日本病院薬剤師会関東ブロック第38回学術大会 発表】
TUR-bt(経尿道的膀胱腫瘍切除術)のパスの検討
(財)山梨厚生会 山梨厚生病院 薬局 ○秋山真二 天野美香 富永有希 雨宮美智子
【目的】
当院ではEBMに基づく医療内容の標準化と質の向上などを目的にクリニカルパスが導入されている。またパス委員会において、薬剤師を含めた各部署の代表によりその内容は定期的に見直され、パス大会も活発に行われている。その中で特に泌尿器科のパスにおいて薬剤管理指導に関わってきた。今回パスの見直しにともない、今までのパスの内容を薬学的観点から検討し有効的に活用できる様に統計をとったのでその結果を報告する。
【方法】
2007年3月~2008年2月までの1年間のTUR-bt68症例についてパス表の看護記録やオペ記録などのカルテ内容を見ながら入院期間中の病態の経過を調査した。
【結果】
TUR-btの男女比は男性65%女性35%であった。テネスムス症状(しぶり腹)の発生率は54%であった。テネスムス症状に対する坐薬(ボルタレンサポ)の使用頻度は68%であった。また手術後の濃い血尿の頻度は13%であり。血尿に伴う止血薬(アドナ錠)の処方は18%であった。バリアンス頻度は14%という結果を得た。
【考察】
今回の調査より現在のパスが適切である点と、パスの改正にあたっての参考材料となる結果が得られた。著しい医療の変化に応じパスの評価・見直しに薬剤師が関与しより質の高いパスになるように努めていきたい。