▼本文へ

▼基本メニューへ

▼便利メニューへ

▼総合メニューへ

このページを印刷する山梨厚生病院ロゴマーク

▲このページの先頭に戻る

「“じょくそうの薬”新聞」の月刊配布による医療スタッフの知識向上に向けた継続的な教育活動 

 

27回 日本医療薬学会年会  平成29113日(金・祝)~5日(日) 千葉県幕張メッセ

【ポスター発表】

「“じょくそうの薬”新聞」の月刊配布による医療スタッフの知識向上に向けた継続的な教育活動

山梨厚生病院 朝倉 寛達

池田 直樹

塩山市民病院 秋山 真二

 

【緒言】褥瘡対策は入院する全ての患者が対象になり、日常業務の中で多くの部署が関係する。外用薬による薬物療法は、除圧や外力コントロールと同様に、褥瘡発生後の治療において重要であり、効果的で適切な使用が求められる。褥瘡の外用薬の使用方法等については、職員からの研修会テーマとしての要望も高く、講義の依頼もよく受ける。研修会などの集団学習方法は、伝えられる対象が参加した職員に限られることや、研修会実施の間隔が長期間になると知識や関心が薄れていくことが懸念される。そこで、継続的に行える学習方法として、毎月一回褥瘡の外用薬物療法をテーマにした「“じょくそうの薬“新聞」を各部署に配布して、褥瘡に関わる医療スタッフの知識向上を図る試みを企画した。

 

【方法】平成2811月から毎月1テーマずつ編集(A4サイズ用紙1枚)して配布した。平成296月まで実施後、アンケートをとり学習効果や改善点について調査した。

 

【結果】新聞で企画したテーマ内容は、「軟膏基剤と役割」「薬効分類」「色調分類による治療の流れ」「壊死組織除去」「薬剤滞留障害とその対策」等である。アンケートより、「用いている外用薬の使用理由の理解が深まった」「新しい知識が習得できた」「厚めに塗る意図がわかった」等の意見が得られた。また、自主的に掲示コーナーを設けて毎号を並べて貼り、スタッフ教育に努めている部署があった。 

 

【考察】新聞を月刊発行したことで、継続的に職員に知識を伝えられた。また、薬剤師の専門的な知識を伝えることは、医療チームの一員としての利用価値と信頼を深めることに繋げられると考えられる。そして、チーム医療の実現の前提となる各医療スタッフの知識・技術の向上について、それを図る積極的な教育活動として価値のある試みであったと考えられる。今後は、薬剤の適正使用に寄与できたか検討を重ねていきたい。

 

-「意見交換した内容」-

広い国際展示場ホール8の会場に前半・後半約700題ずつでポスター発表が行われる中で、かなり埋もれたように感じたところもありましたが、示説時間になると、関心を持ち、狙って見に来られた先生が多数いました。その先生方と意見を交わしました。ありがとうございました。asakura

♥ 看護師の意識調査に興味があってきました。自分の施設ではWOCN・皮膚科Drは不在で、リンクNSは1年で交代してしまうため深い取り組みに進めません。

♥ 新聞は元々他のテーマでもやっていたんですか?やろうと思ったきっかけは?薬剤師のみの取り組みですか? → A:薬物療法に特化した内容にして薬剤師の存在アピールになるように企画しました。院内で褥瘡を受け持つ薬剤師として質問を受けられるように担当指名を毎号載せるようにしました。

♥ 中間テストでは確認ができ、復習をしたくなるきっかけになり良いですね。→ A:掲示・配布する新聞形式で個人的にコピーを取っていて復習に活用している方も聞きます。講義形式ではないのも試す価値はあると思います。

♥ 看護師からの薬物療法に対するニーズは高いですか?→ A:褥瘡学会での他発表でも外用剤の知識不足の結果が出ていて、研修要望が高い領域と思います。

♥ 自分は大学病院ですが、人員不足の理由で褥瘡委員会に薬剤師が参加しておらず、薬剤部員の褥瘡の知識も低く感じています。褥瘡はもっと薬剤師が関われる領域だと思っているのですが...。

♥ ビジュアルで簡素で見わかりやすくまとめられている。当院での薬剤師の褥瘡への取り組みは遅れ気味です。資料を参考に薬剤師の褥瘡への関与を見直していきたいと思います。

 《 示説を終え 》

大それたことではなく小さなことだと思いますが、それでも自分たちの取り組み結果から、何か褥瘡に関わる薬剤師として良い方法はないか、何かを見いだすきっかけにして自施設に持ち帰ろうという先生方の熱意を感じました。また、意見を交わした先生方からは活力も頂きました。

jokuso1jokuso2

 

▲このページの先頭に戻る