回答:18テーマは予め企画しました。先の方まで薬剤師3名で分担していました。復習もかねて、繰り返しの内容や中間・期末テストを入れました。
第20回 日本褥瘡学会学術集会 2018年9月28日(金)~9月29日(土) 神奈川県 パシフィコ横浜
【ポスター発表】
褥瘡の外用薬物療法の知識向上を目指した「“じょくそうの薬”新聞」の月刊配布による継続的な教育活動
山梨厚生病院 朝倉 寛達
ポスター発表の内容は、職員からの要望の高い「褥瘡に用いる外用薬」の学習方法として、平成28年11月から平成30年2月まで、毎月一回、褥瘡の外用薬物療法をテーマにした新聞を各部署に配布して,褥瘡に関わる医療スタッフの知識向上を図る試みを企画したという報告と、アンケート調査で学習効果や薬剤師への要望等のまとめた結果です。
昨年、日本医療学会でも同じテーマの発表を行いましたが、昨年の段階ではまだ予定テーマの途中での中間報告でした。今回は完結した全内容とアンケート調査の追加を加えました。
「“じょくそうの薬”新聞」のテーマ .Vol.1 軟膏基剤ってなに?
Vol.2 主成分の薬効 Vol.3 浅い褥瘡と深い褥瘡(色調分類の説明)の治療の流れ Vol.4 壊死組織除去(滲出液の多/少の場合分け) Vol.5 肉芽形成促進(滲出液の多/少の場合分け) Vol.6 上皮化促進 Vol.7 薬剤滞留障害とその対策 Vol.7.5「中間テスト(各テーマの要点の確認問題)」 「“じょくそうの薬”もっと深読み新聞」のテーマ . Vol.8 薬剤ポイントレクチャー:ユーパスタとゲーベンクリーム Vol.9 薬剤ポイントレクチャー:フィブラストスプレーの作用・使用方法 Vol.10 薬剤ポイントレクチャー:ヨードホルムガーゼの作用・使用方法 Vol.11 薬物療法に必要な病態評価項目 Vol.12 S→s にする薬剤 Vol.13 E→e 〃 Vol.14 I → i 〃 Vol.15 N→n 〃 Vol.16 G→g 〃 Vol.17 P縮小 Vol.18 ブレンド軟膏 Vol.19 「期末テスト(過去の要点の確認問題)」 |
発表内容より抜粋
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新しい知識の伝達や各自の業務への活用に繋げられたことは,チーム医療の実現の前提となる知識・技術の向上を図る積極的な教育活動として,価値のある試みであったと考えられました。また,薬剤師の専門的な知識を伝えることは,存在価値と信頼を深めることにも繋げられたと考えられました。
-「意見交換した内容」-(職種)
新聞のアイディアは良いですね。研修会だけではなく形に残すのはいいですね。やる気が出てきました。(薬剤師)
テーマは決めていたんですか? (どのペースで、何人でやったのですか。 薬剤師・看護師) |
回答:
18テーマは予め企画しました。先の方まで薬剤師3名で分担していました。復習もかねて、繰り返しの内容や中間・期末テストを入れました。 |
よく見てもらうように工夫したことはありますか。 | 回答:
イラストや文字数など気を使いました。また、掲示場所も重要で、トイレがよく見られていたようです。これはリンクナースの独自発想です。 |
私たちもお便りを作って配布していますが、薬剤のことはこんなに詳しく出せないです。訪問看護ステーションには薬剤師がいないので、薬剤についてわかりやすく作ってくれる薬剤師が欲しいです。(訪問看護師)
当院の薬剤師は6人で、なかなか褥瘡に関わる時間を理解してもらえない。そもそも関心も薄いです。どうしたら、薬局内での理解や関心を得られるようになりますか。(薬剤師)
回答:
より良い塗布例や薬剤選択などの現状の紹介を続け、褥瘡関与へのきっかけを作ることでしょうか。様々な学会参加を通じて知ってもらうのもいいと思います。回診しなければ状況がわからないので回診は必要ですね。 その点、当院では、毎週、活動時間を確保してもらえている事は、とても恵まれている環境にあると思います。 |
・地域医療との関わりはどうですか。 ・この新聞はHP公開されているのでしょうか見ようと思っても、いつも誰かが見ていて、見ることができず、ほんと凄かったですよ。 |
回答:
引用文献が多数あり、著作権のこともありますので、当院関係職員の教育に限らせていただいています。 |
《 示説を終え 》
多くの先生方が、次から次へと来られ、話をしている内にあっという間に時間が過ぎてしまいましたが、たくさんの交流を持つことができ、ポスター発表の強みを十分感じました。
学習方法に関する悩みは、どこの施設でも共通の課題としている事がわかりました。
そこに、一石を投じることができ、反響が大きかったことを意見交換した先生から聞きました。
自分が発企して、一年以上にわたる企画に賛同し、共に作成をし続けた秋山真二薬剤師と池田直樹薬剤師に深く感謝いたします。ありがとうございました。この二人の力がなければ、最終号まで一度の遅延もなく続けて行くことは難しかったと思います。
「褥瘡薬物療法」という学習要望の高いテーマをどう伝えるかという課題において、本企画の内容やアイディアを全国各地から見に来られた先生に広げることができました。そこで、たくさんの賞賛や同意の声をいただいたのは、大変うれしいことでした。大変満足感のある学会参加でした。
山梨厚生病院 朝倉 寛達
褥瘡の外用薬物療法の知識向上を目指した
「”じょくそうの薬” 新聞」☆(P-発表) じょくそう新聞 2018日本褥瘡学会