「脳ドック」で発見される疾患の多くは無症状の脳血管障害や良性脳腫瘍があります。これらの病気はすぐ手術が必要になるような病気ではありませんが、脳血管障害では新たに脳梗塞などを起こさないために危険因子の管理が、そして良性脳腫瘍では拡大するかどうかの経過観察が必要となります。
脳血管障害の中でも多いのが、くも膜下出血の原因になる「未破裂脳動脈瘤」で成人の2-6%に見つかると言われ、大きくなるほど破裂率は上がります。治療を行う場合は、以前は手術治療が主でしたが最近ではカテーテルという細い管を用いて行なう血管内治療が進み、開頭手術をしないケースも増えてきました。
またいわゆる「かくれ脳梗塞」といわれる無症候性脳梗塞は、肥満や高血圧、糖尿病や脂質異常症などの危険因子の管理が重要です。良性脳腫瘍には髄膜腫、下垂体腺腫、海綿状血管腫などがあり検査の結果症状がある場合は治療を行います。それ以外は経過観察を行って変化があるかどうかの確認を行っていきます。
このように脳の健診を行うと無症状であっても危険な病気の見つかることがあり重要な検査と言えます。