肺気腫
【疾患名】
肺気腫
【病態】
肺の末梢組織である肺胞の壁がこわれて弾力性を失い、肺全体が膨張し、有効な呼吸面積が減少するため、肺でのガス交換に不都合が生じる病気です。
【症状】
症状としては、息切れ、呼吸困難がみられ、病状が進むと胸部がビール樽状になり、口唇にチアノーゼがみられ、手指が太鼓のばち状になることがあります。
【検査】
胸部単純レントゲン撮影、CT撮影、肺機能検査、動脈血液ガス分析などが行われます。
【治療法】
治療としては、原則として症状に応じた薬物療法や呼吸のリハビリテーションを行います。以下の基準にあうような重症の場合には、Lung Volume Reduction Surgery (LVRS)という肺の一部分を切除する手術が行われることがあります。しかしながら症状の軽快が得られるのが一時的で、数年で再び悪化することが多いため、現在ではあまり行われなくなっています。
□ 内科治療がされているにもかかわらず Hugh-Jones 3度 以上
□ 3ヶ月以上禁煙している
□ 原則的に75才以下
□ 1秒量 1200ml 以下, 又は 1秒率 35% 以下
□ 肺の過膨脹が著明である
(横隔膜の平坦化または翻転化、横隔膜の動きが3cm以下、全肺気量>120%,残気量>200%、など)