「鼻腔形態改善手術」文責:芦澤圭
鼻閉改善手術をご存じでしょうか。ダニやハウスダストなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎や、鼻粘膜肥厚・鼻中隔の湾曲といった鼻腔形態の異常から生じる鼻閉は、ほぼ1年中続き患者さんにとっては憂うつなものです。
憂うつなだけではなく、鼻呼吸の障害は種々のQOLを低下させ、仕事能率や学校成績にまで影響を及ぼすことが知られています。
まずは薬物治療で改善を目指すのですが、特に鼻腔形態が狭い場合や、アレルギー反応がとても強い場合、薬物による治療が無効であったり、すぐに再発してしまうことがあります。
この場合、もう治療法はないと諦めていませんか?実は、鼻中隔という左右の鼻を分けている壁が湾曲している場合や下鼻甲介という部位が肥厚している場合、これらの部分を腫れている粘膜とともに手術的に矯正することで、鼻閉が改善する可能性があります。
診断に有効なのがCTスキャンです。鼻中隔や鼻内の形態を正確に判定し、鼻閉の原因を考えていくことができます。手術で改善の可能性が高いと考えられた場合は、鼻内より内視鏡を用いて手術を行います。手術は全身麻酔で行いますので手術中の痛みはありませんが、約1週間程度の入院が必要となります。
お悩みの方は、ぜひご相談ください。
粘膜下下鼻甲介骨手術
正常な鼻内 | 腫脹した下鼻甲介 | |
「粘膜下下鼻甲介骨手術」では正常粘膜は可能な限り温存し、内部の下鼻甲介骨を抜き取るように切除して減量します。 |
鼻中隔矯正術
鼻中隔湾曲症 | 「鼻中隔矯正術」では鼻腔内の粘膜を切開し湾曲している骨・軟骨を抜き取ります。 |