正中神経が手関節にある手根管というトンネル内で内圧が上昇し圧迫されて症状が出ると考えられています。

手根管とは、手関節にある手根骨と横手根靭帯で囲まれたトンネルで、その中に正中神経と９本の腱が通っています。 多くの場合原因は不明です。

妊娠中、出産期や更年期の女性に多いのが特徴です。

母指から環指の母指側のしびれと痛みが出ます。

特に症状は明け方に強く、しびれや痛みで目を覚ますこともあります。

進行すると、母指と示指で細かいものがつまみにくくなります。（例えば、財布から硬貨を取り出しにくくなります。）

ティネル様サイン：

手根管部を叩くと、しびれや痛みが指先にひびきます。

ファレンテスト：

手首を掌側に直角に曲げて、手の甲を合わせて保持していると、しびれや痛みが出現し悪化するかをみます。

母指球の筋力低下や筋委縮をみます。

電気を用いて、手根管をはさんだ正中神経の伝導速度を測定します。

手根管内の腫瘤の可能性はエコーやMRI検査を行うことがあります。

消炎鎮痛剤やビタミンB12の内服をしたり、手関節部のシーネ固定などして局所の安静をはかります。

症状が改善しない場合や、母指球筋がやせたものは手術が必要になります。