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徐脈性不整脈

【疾患名】

徐脈性不整脈(洞不全症候群, 房室ブロック)

【病態】

心臓は全身の臓器に酸素や栄養分を含んだ血液を送り出すポンプの役割を果たしていて、24時間休むことなく頑張っています。このため心臓にはポンプの効率を向上するための特別な仕組みが備わっています。洞結節というところで自律神経の支配をうけて脈を制御しており、ここで出た電気刺激を刺激伝導系というネットワークを使って全体に伝えています。このネットワークの中に、房室結節という心房と心室の間を橋渡しする部位があります。洞結節の機能が低下したものを洞不全症候群、房室結節の機能が低下したものを房室ブロックと呼びます。

【症状】

徐脈(脈がゆっくりになること)に伴う脳虚血症状: ふらつき、めまい、眼前暗黒感、失神 心不全症状: 息切れ、倦怠感、浮腫

【検査】

心電図、心臓超音波検査、ホルター心電図、トレッドミル負荷検査、心臓電気生理学的検査

【治療法】

ペースメーカーは洞結節や房室結節の働きが低下した部位を補い、徐脈を改善させることができます。ペースメーカー治療の適応に関しては、日本循環器学会で提唱されている循環器病の診断と治療に関するガイドラインに従って検討されます。 ペースメーカーは本体とリードからなりますが、本体は細かなプログラムを設定するところと電池の部分を構成しています。またリードは本体から心臓内に電気刺激を伝える線の役割を担っており、病状によって1本ないしは2本使用します。治療自体は基本的には局所麻酔で可能で、リードは鎖骨の下の血管を経由して心臓内の電池消費効率が良い場所に留置し、本体は皮下(皮膚と筋肉の間)に植え込みます。所要時間は個々のケースによって異なりますが、およそ2時間です。電池寿命が7~10年ですので、電池寿命が尽きる前に本体の交換を行います。

日本循環器学会 循環器病の診断と治療に関するガイドライン
(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_kasanuki_d.pdf)

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