▼本文へ

▼基本メニューへ

▼便利メニューへ

▼総合メニューへ

このページを印刷する山梨厚生病院ロゴマーク

▲このページの先頭に戻る

大腸がん

【疾患名】

大腸がん

【病態】

  大腸は大きく結腸と直腸(肛門から近い部分の大腸)に分けられます。大腸癌とは大腸の粘膜上皮から発生した悪性腫瘍(癌腫)のことです。大腸壁浸潤の深さによって、早期癌・進行癌に分類されます。

 進行してくると深層に増殖し、隣接臓器に浸潤したり、腹腔内に癌細胞が散布(腹膜播種)されることもあります。一方、リンパ管や血管を介して、リンパ節転移や遠隔転移をきたすこともあります。大腸壁浸潤の深さ、リンパ節転移の程度、遠隔転移・腹膜播種の有無等により、大腸癌の進行度(病期分類・ステージ)が決まり、治療方針が選択されます。

【症状】

 早期大腸癌では自覚症状は軽微で無症状のことも少なくありません。

 しかし癌病巣の増大・進行に伴って種々の症状が現れてきます。おもな症状を列挙します。

腹部症状:腹痛、腹部膨満感、腹部腫瘤、等

消化器症状:食欲不振、嘔気、嘔吐、便が細くなる、血便、等

全身症状:体重減少、倦怠感、貧血、浮腫、等

【検査】

 下部消化管内視鏡:いわゆる大腸カメラです。大腸癌の確定診断に不可欠な方法です。癌腫の形態・広がりを調べるとともに、癌腫そのものの組織の一部を採取し、顕微鏡的に診断をつけます。

 注腸造影:肛門からバリウムを注入して、癌腫の局在や、広がりを調べるのに有用です。

    超音波検査(腹部エコー):大腸癌の質的診断は困難ですが、遠隔転移の状況等、大腸癌の進行度を診断するのに有用です。

  腹部CT検査:大腸癌の質的診断は困難ですが、隣接臓器との関係やリンパ節転移・遠隔転移の状況等、大腸癌の進行度を診断するのに有用です。

  腫瘍マーカー:血液中に存在する、「癌細胞が特異的に産生する、あるいは癌の存在により生体内から産生される物質」のこと。あくまで診断の補助にすぎません。

【治療法】

 基本的には病期分類に応じて「大腸癌治療ガイドライン」に沿って、治療方針を決定しますが、個々の患者さんの状況に応じて、適した治療法を提示させていただきます。

 手術療法:治癒を目的として施行される治癒手術と、症状軽快等を目的として施行される非治癒手術とに分けられます。前者には、結腸切除術、直腸切除術、直腸切断術などがあり、癌腫の局在や進行度により最適の手術方法を選択しています。後者には、バイパス手術や人工肛門造設手術などがあります。以前は肛門に近い直腸癌ではほとんど場合に人工肛門となっておりましたが、最近では病態によってはかなり肛門に近い場合でも肛門を温存する術式も(ISR:内括約筋切除術)行えることがあります。

 当院では近年、大部分の症例を腹腔鏡下手術で行っています。

 化学療法(抗癌剤治療):切除不能進行・再発大腸癌、非治癒切除症例に対して、治療を目的として行われるものと、治癒切除後の微小遺残腫瘍による再発予防を目的として行われるものがあります。

  緩和医療:癌により引き起こされる様々な問題に対し、軽減できるようにサポートしていく医療。

 

 

【開腹手術の傷】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【腹腔鏡下大腸手術について】

 

 

1cmの傷4か所、病変を取り出すための4~5cmの傷1か所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腹腔鏡下に大腸をお腹の内側の壁から剥がす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病変部を4~5cmの傷からお腹の外へ引き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病変部を含めてその周囲の大腸を切り離す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腸の切り口と切り口をつなぎ合わせてお腹の中にもどす

 

 

 

 

 

 

 

 

▲このページの先頭に戻る